ローゼッタシティ


そこは、ネイテル城からやや離れた場所に位置する工業の盛んな場所でした


王族はそれぞれ大きな街などを回り、その街の教会へ祈りを神に捧げる儀式がある
儀式と言っても民の信仰心を高めるお祭りみたいなものだ


だがそれも立派仕事なので、遠い場所にも王族はしばしば足を運ぶ


メノリは馬車に揺られながら気まずそうに向かい側を見た
不機嫌そうな深い緑の瞳は、馬車の外しか見ていない


少年『業火の天使』である、トーワはメノリをチラリとも見ない


(……何よ……もう)


最悪な初対面からあまり間が無い
メノリもブスッとした顔で、ただ沈黙するしかなかった