Cherry



私は2、3歩 後退りして
逃げるように
帰ろうと した



その私の背中から
彼女は



「本当に、小さくて可愛らしいわね。姫ちゃん……」



彼女が
どんな表情で言ったか
わからない



でも
私の耳には
イヤミたっぷりな言葉に聞こえた



私は渡せなかったプリンを持って



みーくんのマンションが見えなくなるまで



全速力でダッシュした