血腫を取り除く手術は成功したけど





姫はまだ眠り続けている





「姫……」




オレは何も答えない



姫の手をにぎる





「明日はオレ休みだから1日中一緒に居られるよ」





暗い病室は



モニターとかの機械の音と




雨の音だけ




姫の声は聞こえない




「姫…ごめんな」




何も気がついてあげられなくて




「もう頭痛くない?」




痛かったよな……




オレの前では




我慢して笑ってたんだよな




「ごめんな……姫」



守るって約束したのに………




姫の事




オレが
一生守るって約束したのに





「頼むよ………起きてくれよ」





……ポタリ



握りしめた姫の手に



オレの涙が落ちる




姫がいないと

生きていけない………





「……うっ……うう……」




姫の手にキスをして



オレは
溢れる涙が止まらなかった