「翠!南!」




後ろから


お父さんが走って来た




「お父さん……」



私達は振り返り


立ち止まる





「…翠……すまなかった」



お父さんは息を切らして



みーくんに頭を下げた




「…おじさん?」



みーくんが驚く



「オレがお前を養子に出したばっかりに……」



お父さんは
頭を下げたまま続ける



「松雪の家で育てれば南ともこんな事には………」




「それは違うよ……」




みーくんは


お父さんの肩に手を置く




「翠…」



お父さんはみーくんを見る




「オレは松雪家で姫と兄妹として育っても姫を愛したよ」



みーくんは


優しい目で私を見つめて




「姫が妹でも姉でも………
何者であってもオレは姫を愛してます」




………みーくん………




「だから、おじさん謝らないで」



「翠」



「感謝してます。
オレと姫はあなた達のおかげで
この世に存在しているのだから」




みーくんは
お父さんの目を見て



「オレも姫をお父さんから奪う事…謝らないから」