「わっ私怖くて……かっから身体がっ……震えて……何もできなかったぁ…」




泣きながら言うと




「命の前では誰しもが無力だよ」



みーくんは私の背中をなでて言う




「先生なんて呼ばれてもオレだって救えない命がたくさんあるんだから」





「……私もっと勉強する………
頑張る…何もできなかったって泣かなくていいように……一人前になる………」



「大丈夫。姫はいいナースになるよ」




みーくんの優しい言葉に



また泣けてくる




「うえっ………」




みーくんの胸で泣いてると




ガラッ



先輩が入ってきて




「あら鈴木先生」



あ、ヤバい離れなきゃ




そう思ったけど




みーくんは
私の背中をなでたままで




「すみません。泣き虫な妹でして」




先輩にそう言った





「もう。鈴木先生も妹に甘いのね。シスコン?」




クスクス先輩が笑う



そうか……
私は妹だから………



もう妹なんか嫌なのに…




私は顔を上げる




「ほら、仕事はたくさんあるぞ。ナースがいつまでもメソメソしない」




みーくんが
私を見て肩をポンポンたたく




「はい」



私が言うと




「じゃ、後はよろしくお願いします」



そう言って
みーくんは出て行った