「ごめん……」



「謝ったってわからないよ!みーくん」


姫は強い口調で続ける



「それに、毎日ずっと同じ病院にいて、忘れる訳ないよ!」



「……それなら大丈夫。
何年かしたらオレいなくなるし」



「………え?
だって鈴木総合病院には帰らないって」



「帰らないよ」




「だったら……どこへ?」




「オレの夢は医療過疎地で診療所をやりたいんだ。
だから、また姫とは離ればなれだよ」




「そんな……」




姫は哀しそうにうつむいてしまう




これで いい




姫のためには




オレがいない方がいいんだ





姫を愛してるなら





突き放すしかないんだ





おばさんの言うように……