「ルンルル〜ン♪」



私は鼻歌を歌いながら、アパートの階段を上がった。


そして家の鍵を開けようとしてドアを見た。



…けどさ














「…何してんの?」




「お前帰ってくんの遅ぇ」



…いやいやッ!



遅ぇとかそう言う前に、何で奏斗が家の前にいんだよ!



奏斗はポケットに手を突っ込んで私の家のドアに寄りかかっていた。



その姿になんかドキッてしてしまった私。



私の心臓よ、少し落ち着いてくれたまえ。







「…ん。野菜」



「は?…あぁ。ありがと」


奏斗は手に持っていた袋を目の前に差し出した。


その袋の中には野菜が…たくさん…あるね。



また、何で野菜?


意味が分からんわ。



一体何しに来たんだか。


「早く鍵開けろよ」



「へいへい」



睨みながら言ってくるため素直に従って鍵を開けた。



─ガチャ




「ただい…」



…ッて、おいおい!



何勝手に上がってんだよ!

しかも私より先に!



私より先に入った奏斗は真っ先にテレビを付けた。



えー…?



マジでこいつ何しに来たのォ?




「ん?早く入れば?」




てめぇ、ココは私の家なんだよ!


私が来客者みたいじゃねーかよッ!






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