「……」



「ごめんって!小夏ちゃーん…」



飲食店を出た私たちは近くの通りを歩いていた。


そして私はまだ由奈が緑茶を飲んだことに腹を立ている。


だって由奈ったら全部飲んだんだよ?


私一口も飲んでないんですけど!



隣を歩く由奈は、大股で歩く私に追いつくように小走りになりながら謝っている。



由奈、私は何でも許す乙女ではないんだよ。




「…私は由奈が思うほど心の広い優しい乙女じゃないよ」












「……そ、そうだよね?」




…おい。今の少しの沈黙は何だ?


私の心は元々広くないとでも言いたいのか?



「そんなことないよ!私、小夏ちゃんは心がすごい広いと思うの!だから…許して?」



由奈はチラッと、目を潤ませながら私を見上げた。



…ゔッ!




「ゆ、許すに決まっているじゃないかぁ!」



そんな目で見られたら許さない訳にはいかないじゃないか!


それに、私の心は宇宙並みに広いから許してあげる。





「良かった!やっぱり小夏ちゃんは優しいね!」


「…フッ!当たり前よォ」



そんなキラキラした目で私を見ないでよ!


照れるじゃん…!
(馬鹿)





───────




「じゃあね!小夏ちゃん!」


あの後、私たちは可愛いお店を見たりして女子高生らしい放課後を思いっきり楽しんだ。




いやぁ!マジで楽しかったよ!



見てるだけでも良かったね。なんか華やかで…。
(おばさんかッ!)



日も暗くなり始めたということで私たちは帰ることにした。



「また明日ね!」



由奈とは家が逆方向のため、ここでお別れ。



私は手を振って自分の家に向かった。






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