─チャリンッ
「え〜っと…」
自動販売機まで来た私は、ポケットから財布を出して小銭を入れた。
んー、お茶どれがいいかな。
私は顎に手を当て、どれにしようか悩んだ。
すると、横からスッと手が伸びてきて…
─ピッ
─ゴトン
…は?
伸びてきた手はそのまま自動販売機の下にいき、中からコーラを取り出した。
…え?
「あー喉渇いた」
横にいる人物はそう言って、コーラの蓋を開けようとした。
…って、
「ちょい待てぇーい!」
「あ?」
あ?じゃねーよ!
何勝手にボタン押してんだよッ!!
私が悩んでいるにも関わらず、横にいた奏斗が勝手にボタンを押した。
「勝手に押すんじゃねー!」
私、どれにしようか悩んでたんですけど。
つーかその前に、私の金なんですけど。
私は奏斗の前に手を出して言った。
「返せ!」
すると奏斗はペットボトルを上に上げ、フッと笑って言った。
「ヤダね」
………
『ヤダね』じゃねーーッ!!!
私の金だっつーの!
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