「だーかーらぁ!そんなに照れないでよ!コッチも照れるでしょッ!」
秋哉はキャーと言いながら両手で顔を隠した。
…いや、照れてねーし。
おめぇらが勝手に照れてるだけだろ。
意味分かんねー…。
「…全く、アンタらにはついてけないよ」
ハァと、ため息を付いてそう言ったものの…
「そんなに照れちゃって〜」
「きゃー!」
「……」
私の話など耳に入ってないようで、秋哉と由奈は馬鹿みたいに二人で盛り上がっていた。
…はぁ。
いいや、もうほっとこ。
盛り上がっている二人を無視して、私は食べかけだったおにぎりに手をつけた。
そして、まだ二人がはしゃいでる間に全て食べ終わった。
…あー、喉渇いた。
そういや、飲み物買ってなかったや。
お茶でも買ってこようかな。
「私、お茶買ってくるね」
まだ大はしゃぎの由奈にそう言って、私は教室を出ようとした。
「俺も行く」
出ようとした瞬間、奏斗が私の肩をつかんでそう言った。
「…ん?あぁ」
いきなり掴まれたもんだからビックリしてしまった。
「「いってらっしゃーい!」」
盛り上がっていた二人は私たちを見ると、ニヤニヤ笑いながら手を振った。
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