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ふあー、疲れた。
授業が終わり、私は大きな欠伸を一つした。
隣で由奈は、教科書を鞄にしまっている。
「やっと昼休みかー!」
そう言って手を組んで上に伸ばした。
「やっとって、…小夏ちゃんは4時限目しか出てないでしょ」
教科書をしまい終わった由奈が弁当を片手に、少し睨みながら言った。
うっ、まだ怒ってるか…。
「もー、ごめんって!あ、何か奢るからさ!」
私は手を合わせて謝った。
すると、由奈は奢るという言葉にピクッと反応し、私をチラッと見た。
そしてそっぽを向いてうんと言った。
その顔はなんか嬉しそう。
…よし。これで機嫌が良くなってくれる。
「じゃあ、昼飯食べよっか」
「うん!」
由奈の機嫌もすっかり直り、私と由奈は教室でご飯を食べることにした。
バタバタバタバタ!
「うわぁーん!小夏ちゃーん!!」
買ってきたおにぎりの包みを破ってる最中、鳴きながら(泣きながら)走ってくる犬が一匹。
由奈はものすごいスピードで走る犬にビックリして、箸が止まっている。
それでも私はおにぎりの包みを開ける作業を続けた。
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