私はベッドの横に掛けてある制服を取って着替え始めた。
って言っても、上から着るだけで脱ぎはしないんだけど。
「…チッ…」
……
横から舌打ちが聞こえた気がしたけど…
気のせいか。
奏斗を見ると、ベッドに座ってテレビを見ていた。
全ての支度を終えた私は今、靴を履いている。
奏斗はまだ呑気にテレビを見てる。
…学校行く気あんのか?コイツ。
「私、行くからな!…あ!鍵はちゃんと締めてけよ!」
「…ん」
テレビに夢中の奏斗に向かってそう言って急いで家を出た。
────────…
─ガラガラッ!
「ハァハァハァ、ま、間に合っ…た…」
先生に怒られながら廊下を走った私は、勢いよく教室のドアを開けた。
教室に入ると、由奈がドアの所にいる私に気付いてこっちまで来た。
どうやら今は休み時間っぽいね。
「小夏ちゃん、もう3時限目終わったよ?」
こっちまで来た由奈は時計を指差しながら言った。
「…4時限目の授業には間に合った」
私は時計をチラッと見た後、由奈から目をそらしして言った。
「…もう!私、小夏ちゃんがいなくて寂しかったんだからね!」
キュン…!
頬をプクッと膨らまして私を見上げる姿が…
可愛いぃーッ!!
ヤバい。
この顔は女の私でも惚れちゃうわ。
.


