「ねぇ何してんの?」
奏斗は冷蔵庫から数少ない野菜を取り出すと包丁で切り始めた。
それ実家から持ってきた物なんだけど。
一週間近く経ってるけど食えんの?
まぁそこは気にしないとして。
…アナタは何を始める気ですか?
すると奏斗は包丁を私の方に向けた。
「邪魔。お前は向こうでうまい棒でも食ってろ」
そして私にうまい棒を渡した後また自分の作業に取りかかった。
…こ、こえぇ。
包丁を人に向けんじゃねーよ。
刺されるかと思ったし。
私は下を向きながらふぅと息を吐いた。
…ん?
下を向いた私の目に入ったのは自分の手。
…に乗っている、私のお腹を満たしてくれるうまい棒。
………
「うんッ!うまい棒食べてる☆」
うまい棒食べてていいなんて最高じゃん!!
もう邪魔しないよッ!
私はスキップをしながら娯楽グッズのベッドにダイブした。
バフッ
「…んーッ!お布団きもちぃー!!」
ボリボリッ
うまい棒も最高だね。
私はベッドに横になりながらうまい棒を食べている。
ボリボリッ
「ボリボリボリボリうっせーんだよ!もっと静かに食えッ!!」
キッチンから奏斗が顔を出して叫んでる。
……
ボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリボリッ
「…てめぇ、刺すぞ」
ボリッ…
め、目が本気だ。
今包丁がキランって光ったよ!
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