私が一人焦っていると、男が私たちを一瞬見た後自分の仲間たちを見た。
「やれ!」
ごっつい男が顎で合図すると、周りにいた奴らが一斉にこっちに向かってきた。
中にはバットまで持ってやって来る奴もいる。
ギャー!
そんないきなり来ないでよ!
ったく短気だなぁ…
って呑気に言ってる場合じゃない!
ぴ、ピンチ!
「…下がってろ」
私が構えようとした時、奏斗が耳元で小さく囁いた。
「…えっ、でも…」
「お前を俺の喧嘩に巻き込むわけにはいかねーし」
そう言って奏斗は私を守るように後ろに押すと、男たちに向かって走って行った。
ドガッ
バコッ
公園に人を殴る音が響く。
…私は今までこの光景を何度も見てきた。
殴っては殴られ、そしてまた殴る。
その繰り返しで最後まで倒れなかった方の勝ち。
でもさ、
一人じゃこんな大勢に勝てるわけねーだろッ!
奏斗、おまっ馬鹿じゃねーの?
冷静に考えよ?
一人対三〜四人ならさ、まだ望みはあると思うよ?
けど…
この人数はやべぇって!
どーなっても知らねーぞ!
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