「それより秋哉、何しに来たわけ?」
奏斗はまたあくびを一つして秋哉に聞いた。
「あ!大変だよ、かなりん!」
さっきとは打って変わって、秋哉の顔は真剣な顔になった。
…けど奏斗の顔は全く変わっていない。
「何」
「この前の奴らが奏斗を探してるって!」
「…へぇ」
…それだけかい!
自分で聞いといてその態度かよ。
てかこの前の奴らって?奏斗を探す理由は?
コイツ何かしたわけ?
「なぁ。この前の奴らって何?何で奏斗を探すわけ?」
私は必死になっている秋哉に聞いた。
秋哉は奏斗に向いていた顔を私の方に向けた。
「この前喧嘩した奴らだよ。なんかね、その一人の女が奏斗に惚れちゃったんだって!」
わぁお!何じゃそりゃ。
…ん?喧嘩?
…何故に?
「ぶつかったら喧嘩売ってきた」
私が首を傾げていたからか、奏斗は私が聞く前に言ってくれた。
な、なんてベタな。
たったそれだけで喧嘩する奏斗もアホだろ。
「売られた喧嘩は買わねーと」
…立派なポリシーをお持ちで。


