「ねぇ、僕邪魔?」
私たちをジーッと興味津々に眺めていた流夏が口を挟んだ。
邪魔だと思うなら口挟むな。つーか…
……ッ!!
私はバッと、そりゃあもう凄い速さで奏斗から離れた。
完全に今流夏がいたことを忘れていた!
弟にまで私の赤い顔を見られたら恥ずかしいっつーの。
急いで火照った顔を手で仰いだ。
「あ!思い出した!」
そんな私を気にも止めず、流夏は手のひらをポンと叩いた。
…何を?
私はまだ少し赤い顔を流夏に向けた。
「もう一つ伝言があったんだった」
そう言った流夏の顔はにぱーっと笑っている。
…まさか、また母さんからの伝言じゃねーだろーな。
さすがにこれ以上言われるとマジで家に帰れないぞ。
もう疎遠だ、疎遠!
けれど、流夏の口から出た名前に私は一瞬息をのんだ。
「あのね?『いくら転校したからって顔くらいは見せろ』って…」
「ン?誰が?」
「……椿さんが」
「つ、つばッ!?ケホッ!」
マジで一瞬息止まった。
思ってもいなかった人物からの伝言に混乱中。
今椿って言った…?
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