「流夏?だっけ?お前、小夏の何?」
奏斗は眉を顰めながら、私の顔をつかむ流夏に言った。
流夏はパッと手を離すと、手を自分の顎に持っていった。
「こなっちゃんの……何だろう」
「はァァ!?」
何だろうじゃない!
私の弟以外に何もねーだろッ!
つーか弟と言え!
「認めたくないんだよね、弟って」
ハァと言いながら首を横に振る流夏。
血繋がってんだから、認めるもなにも歴とした私の弟だよ。
弟にバカにされるお姉ちゃんって、あーあ。可哀想な私。
「弟?…へぇー」
さっきまでの睨みはどこに行ったのやら。
奏斗は私と流夏を交互に見ると、納得したようにベッドに座った。
「奏斗も何か用があんのか?」
休日なのにわざわざ家に来る奏斗が不思議だ。
何かあったのか?
まさかケンカ?
奏斗の顔を見たけど、特にケガとかはしてないし、痣も見当たらない。
ケンカをした後ではないみたいだな。
「来たら行けなかった?」
ベッドに横になった奏斗は頬杖をつきながら言った。
「いや、そういうわけじゃ」
「ならいーじゃん」
ニッと笑ってから私の頭を撫でるから、心臓がドクンっとなった。
あー、マジ心臓に悪い。
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