あーあ、これで実家に帰りづらくなっちゃったじゃん。
玄関入った途端に母さん必殺飛び蹴りだろ?
…帰りたくねー。
「それとたまには家に帰って来いだって!」
流夏はニコッと笑うとテレビを見始めた。
…ぜってぇ帰んねー。
つーか、怒りの伝言の後に言うんじゃねーよ。
「…はぁぁぁ」
もう何度目か分からないため息をした私はその場に座った。
流夏はまだ帰る気ないみたいだし、仕方ない。
せっかくの休みだけど、この弟と久し振りにゆっくり過ごすか。
酷いことを言いつつも、きっと流夏も私と一緒に過ごしたいんだろ。
ふふッ。素直じゃない奴〜!
(ウザい)
─ガチャリ
「ん?」
何だい?今の音。
私はビックリして流夏を見た。
流夏も突然の音に何事かと私を見た。
─バンッ
「あー、腹減った」
ドアが開いたと思ったら、呑気に入って来た一人の男。
…てっめ!
いろいろ言うことはあるけど、取りあえず
「鍵しめたのに、何で入って来れんだよッ!」
確かに私は鍵を閉めたはずだ!
私が怒鳴ると、男は鍵を私の目の前に見せ
「合い鍵」
笑って当たり前のようにそう言った。
…突っ込むことが多すぎる。
─いつ合い鍵作った?
─そして何故当たり前のように家に入る?
─何?腹減ったって。
…つーか
「何しに来やがったッ!?」
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