「小夏さん。私が教えてあげます!」
「……」
美沙…?
私は目を見開いて美沙を見た。
私をジッと見ていた美沙は、ニッコリ笑いながら言葉を続けた。
「いっぱいいっぱい、小夏さんが知らない学校のこと、私が教えてあげます!!」
私は、その言葉に小さく微笑んだ。
…うん、たくさん教えてくれ。
今まで面倒くさい場所だと思っていた学校。
でも…
美沙の話を聞いていると、段々と学校がいいなって思えてくるんだ。
もっともっと、自分の知らないことを教えてほしい。
「あぁ。美沙の学校のブンカサイとかいうやつ、見に行こうかな?」
私は美沙のイチゴミルクを取って飲み、ニッと笑った。
美沙の通う学校を一回見てみたい。
「はい!ぜひ来て下さい!皆さんも!」
私たちはお互い笑いあって、今まで以上に楽しい時を過ごしていた。
─でも、私がいけなかったんだ。
私は全く関係のない美沙を、巻き込んでしまった。
酷い目に遭わせてしまった。
私が、私がいけなかった。
ごめん、美沙…
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