それから毎日のように、美沙は私たちに会いに来た。
毎日、私の大好きなうまい棒を持って。
「今日は小テストだったんです。計算ミスしたのが心残りですけど」
美沙はイチゴミルクを飲みながら、今日学校であった事を話している。
どうやら、美沙と私は同い年だったらしい。
見た目的に年下かと思ったんだけど。
まさか同い年とは。私も椿もビックリしたよ。
あ、でも一番驚いてたのは美沙かも。
「今度、文化祭をやるんです。私の学校、結構人気があるんですよ?…あ!そうだ!小夏さん、見に来てくれますか?」
目を輝かせながら、美沙は興奮気味に言った。
ブンカサイ…?
「…美沙、ブンカサイって……何だ?」
「えっ!?知らないんですか!?」
聞いた私に、美沙は驚きの声をあげた。
そんなに有名なものなのか…?
私には初耳なんだけど、ブンカサイ…
美沙はイチゴミルクのパックを置き、私の手を掴みながら懸命に説明した。
ブンカサイの意味を教えてもらった私は、一人想像した。
……
(想像中)
…うわぁ、何か楽しそうだな!それ!
うんうん、見に行きてぇ!
「小夏さんの学校は、ないんですか?文化祭」
説明し終えた美沙は、不思議そうに尋ねた。
「あー、私学校には行ってねーからさ。不登校なんだよね。だから、学校についてあんまり知らない」
学校には入っているものの、全く登校していない。
入学式さえも行かなかったからな。
もう、中学生の頃から不良生活だったから。
私の知識は小学校の高学年まで。
バカなのは仕方ねぇってことよ。
(開き直り)
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