「誰だっていーだろーが。いい加減、その手を離せよ」
私は一層睨みをきかせると、男は舌打ちをして私を見た。
「チッ!邪魔者はとっとと消えな」
「それはコッチのセリフだ。邪魔者はてめーらだろ」
私の言葉にピクッと反応した男は、きっと血管が切れたに違いない。
これは、間違いなく私に殴りかかってくる。
喧嘩なら上等だ。
来るなら、いつでもかかってこい。
私を、なめんじゃねぇ。
男は周りに目をやると、周りにいた奴らが一斉に、私に殴りかかってきた。
いくら男だろうと、人数的に不利だろうと…
私には、関係ない。
─ガンッ!ドカッ!
「…ゔっ!」
…フッ。弱い奴らだ。
男たちは地面に伸びている。
私なんか無傷だというのに。
はぁ、見た目でなめられるのは困るな。
私はため息をついて、地面の男から視線を残り一人に向けた。
残るのは後、この金髪男だけ。
「ほら、かかってこいよ。コイツらみたいになりたいならね」
フッと笑いながらそう言うと、金髪男は青白い顔をし、仲間と共に早々と逃げ去った。
ったく、男ってホントに弱い奴。
ボリボリと頭を掻いた私は、ハァとため息をついた。
「……あの…」
小さな、震えた声がして、私はその声の主へと振り向いた。
小柄な女の子が、私を見上げている。
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