「ぐへへ。買ったぜー」
椿から貰ったお金を全て使い果たし、うまい棒を大人買いした。
あーあ、コンビニにあるうまい棒全部買っちゃったよ。
私は両手にうまい棒がたくさん入ったビニール袋を持ち、たまり場に急いだ。
椿にも少し分けてあげないとな。
…少しだけね。
「きゃっ!止めて下さいっ!」
「……」
ん?何だ、今の声。
両手を振って歩いていた私の耳に、夜道に響く声が聞こえた。
私は声がした方へと振り向くと、そこには数人の男に囲まれた
…たぶん女の子。
男たちが大きすぎて、中にいる子の姿が見えない。
けど、きっと高い声からして女の子だ。
ちッ!女の子を襲おうなんて。なんて卑劣な奴らだ。
私はバサッとその場にビニール袋を投げ落とすと、女の子のもとへと向かった。
「は、離してください!」
「いいじゃん。少し話しようよ」
「きゃっ!!」
どこまでも卑劣な男たち。
「その汚ねー手を離しな」
私はしつこく迫っている男たちの中に割って入ると、睨みながら言った。
「あ?誰だ、てめー」
私を見るなり、眉をひそめた金髪の男。
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