約一週間前───…
「さぁ走れ。取りあえず本気で走ってみろッ!」
体操着に着替えた私たちは、誰もいない校庭に来た。
律。いいんだな?
私、本気で走っちゃってもいいんだな!?
どーなっても知らないからなッ!
「二人とも、驚くなよ…」
「お!小夏ちゃんが本気だ!」
私は軽い準備運動をし、スタートラインに立った。
…本気で、走る。
「それでは、位置について?よーい…ドンッ!!」
律の声と共に思いっきり地面を蹴った。
「お!小夏ちゃん速いじゃん!このまま行けば大丈………」
「「‥‥‥」」
ゴール!!
「…はぁ、はぁ…あー!つっかれたぁ!」
ゴールした私は、地面に座り息を整えた。
ふぃ、走りきったぜ。
「…なぁ、小夏。何で?」
座り込んでいる私の下に律と秋哉が来た。
来ていきなり質問をされた。
「何でって……何がですかね?」
律、何が言いたいのかな?
もしかして?
「…何って…、てめーの走りに決まってんだろーがァア!」
ギャー!
やっぱりそれかぁ!
私だってそれは分かってるんだけどな。
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