「おぉ、秋哉!お前にしては良い考えじゃん!どうした?何か変なもん食ったのか?」
「…俺を何だと思ってたわけ?」
秋哉のアイディアに律が賛同し、ブリ子も頷いている。
…どうしよ。
もしかして、勝負は短距離走に決まっちゃう…?
「私、走るのは得意だから、それでいいわよ」
ブリ子は私たちに向かってそう言うと、教室を出て行った。
え!?ちょっ、待ってよ!
「ブリ子ぉー…」
「よしッ!そうと決まれば、小夏!早速走る練習だ!」
「頑張れー!でも小夏ちゃんなら大丈夫でしょ!ケンカ強いし」
秋哉がにっこり笑って私を見た。
…秋哉、いくらケンカが強いからって、その人の足が速いかどうかなんて分からないだろう?
「お、お前ら、あのさ私…」
「さぁ、今から校庭で走る練習!」
私が言おうと二人を見たが、二人ともめっちゃ気合いが入ってる。
ヤバいヤバい!
本当にダメなんだってッ!
私…
走るの遅いんだよーッ!
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