「奏斗ォオー!!」
「うわッ!」
─ドサッ
「…いってぇ。この馬鹿、朝から蹴るんじゃねぇよ」
私に跳び蹴りをされ、奏斗は地面にうつ伏せの状態で倒れている。
何か文句言われてる気がするけど、そんなの私の耳には入らない。
つーか、私の耳がパタンと閉じていて受け付けない。
それよりも、
「昨日はよくも…!よくも私を一人にしたなァッ!」
私は起き上がったばかりの奏斗の胸ぐらを掴み、グラグラと揺らした。
昨日のこと、覚えてないとは言わせないからなァ!
─ドンドン
「私は、私はァァー!」
「…ケホッ…!」
私は嘘泣…本泣きで奏斗の胸を思いっき…優しく叩いた。
「…小夏、んなに力強く叩く、ケホッ…なッ!」
奏斗は私の手を片手で掴み、もう一方の手で胸をさすった。
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