「…物足りねぇ」
奏斗はより顔を近付けて言った。
な、何が?
私があんぐり口を開けていると、奏斗の顔がさらに近付いた。
か、顔ちかッ!
絶対、今の私の顔真っ赤だよ。
「奏斗!離れろって!」
胸を押して離そうとしたが、全っ然ダメだ。
何で?ビクともしないんですけど。
「ヤダ」
─ビクッ
必死で押している私に、奏斗は耳もとで言った。
…今、ビクッてしたんだけど。
何なの?コレ
「もしかして、感じちゃってる?」
奏斗はニヤッと笑ってそう言うと、フゥッと私の耳に息を吹いた。
「ダァアー!息吹きかけんなァ!」
何すんじゃ、ボケェ!
自分でも分かるほど真っ赤になった私は奏斗をキッと睨んだ。
「ぷはっ!お前、トマトみてぇ」
ク〜ッ!ムカつく〜!
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