「はぁ…。た、助かった…」
「ゴホゴホッ!てめ、もっと優しく叩けよ」
私が酸素を吸っていると、奏斗は胸をさすりながら言った。
「んだと!?コッチは死にかけたんだ!誰だって死ぬと思ったら必死になるだろーが!」
マジで死ぬかと思ったんだからな!
すると奏斗は眉を顰めて私を睨むように見てきた。
「な、なん、だよ」
なんか、恐ろしいんですけど。
私は無意識にも一歩下がった。
奏斗は眉を顰めたまま、私に近付いてくる。
ちょッ!ちょっと待て。
取りあえず、落ち着こうか!
私が「待て」と言うが、奏斗の顔は変わらず、どんどん近付いてくる。
ついに私の足は止まった。
背中には冷たい感触がする。
…壁だ。
私はそれでも逃げようと横に体を向けた瞬間、私の前に手が伸びてきた。
「……」
おそるおそる体を戻すと、目の前には悪魔が…
もう、ダメだ。
逃げられない。
奏斗は私の顔の横に手をつき、体を屈めて私の視線と合わせた。
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