─ガラッ


「奏斗!いるのは分かってんだ、出て来い」


「……」


開けたと同時に言ったものの、何の反応もない。


「先生いないね」


「ホントだ」



先生もいないせいか、シーンとしてる。


文化祭の準備でいないんだな。



「小夏」


私は肩を叩かれて、律が指差しているとこに目を向けた。


ベッドが二つ並んでいるが、一つだけカーテンが締まっている。




…みぃ〜っけ。



私はニヤリと笑ってそのベッドに近付いた。



─シャッ


「かなっ、うわッ!」



カーテンを開けると目に入ったのは、コッチを睨む奏斗の姿。


び、ビックリさせんな!普通カーテン締まってたら寝てると思うだろ。


なのに、腕を組んで座って真っ直ぐ睨むとかマジ恐いんですけど。


もしかして、来ること分かってた?



「んの用だよ」


不機嫌丸出しの奏斗は低い声で言った。


迫力あるねぇ。


「もちろん、劇に出るに決まっ「ヤダね」


……


「俺は出ねぇ」



頑固者め。


奏斗が出ないと面白くないのに!



.