「小夏も見る?」
「うん」と言って見せてもらった衣装は、いかにもおとぎ話に出て来そうな王子様の衣装だった。
マントまで付いてる。
これを奏斗が着るんだろ?
…ブッ!
見たい。ものすごく見たい。
「秋哉!今すぐ屋上から奏斗を連れてこい!」
私はパチンと指を鳴らして秋哉に命令した。
「え?かなりんを?何でぇ?」
…ったく、物分かりの悪い奴だな。
「決まってんだろ?…衣装合わせだよ」
私の言葉をやっと理解した秋哉は「イエッサー!」と言って敬礼した。
「それから、そこで寝てる律も一緒に奏斗連れてきて」
廊下のど真ん中にうつ伏せで寝そべっている律をつついた。
「…もう少しで三途の川を渡るとこだった」
頭をさすりながら起き上がった律は青白い顔をして言った。
いつまでも寝てないで作業手伝えよな。
「小夏が気絶させたんだろーがァ!」
「あ?」
「…さっ!秋哉、早く奏斗を連れてこよーぜ!」
私から視線を外した律は秋哉を引っ張って屋上に行った。
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