─トントントントン
「ふんふ〜ん♪」
「……」
─トントントントン
「ふん〜ふ〜ん〜♪」
「………」
「ふん〜ふ「…ダァアーーッ!」
うるせェエーーッ!!
文化祭の出し物を決めてから一週間ちょっと。
裏方Sの私は大道具係りになった。
律も秋哉も、私と同じ大道具係りになっちゃったんだよね。
…結局SでもA、Jでも変わんねぇじゃん。
そして今は木に釘を打っているところ。
私が一生懸命釘を打っているのに、隣から奇妙な鼻歌を歌う秋哉が邪魔をする。
てめぇのせいで釘が斜めに入っちまったじゃねーかッ!
「音痴を披露すんなッ!」
「んなッ!音痴じゃねーよ!」
ったく、歌うなら私のように透き通った美声で歌いやがれ。
「そういうなら、小夏ちゃん歌ってよ」
秋哉は頬を膨らまして言った。
「任せろ!てめぇ、聞いただけで涙ポロリだぞ!大泣きしても知らねーからなッ!」
.


