私がボソッと呟くと、それを聞いた秋哉がニヤッと笑いながら近付いてきた。
「小夏ちゃん、"S"?俺は"J"だよ!」
秋哉は胸を張って自慢してきた。
何だと!?
…くそッ!負けた。
そんな私たちを見ていた律が秋哉同様、笑いながら私たちのとこに来た。
「フンッ。二人ともまだまだだな。見よ!俺は"A"だぞ!」
律は"裏方A"と書かれた紙を突き出して、秋哉より胸を張った。
なにィーーッ!
…屈辱だ。律に負けるなんて。
私と秋哉は二人してガクッとうなだれた。
「小夏ちゃん…」
そんな私たちのとこに、困惑気味の由奈が手に紙を持ちながら来た。
「由奈は?何だった?」
私が聞くと、由奈は困った顔をして紙を私に渡した。
「どれどれ。……ほ?」
「あー!由奈ちゃん、シンデレラだ!」
秋哉は私が見ていた横から覗き込み、言った。
…由奈がシンデレラ…
か、かわいーーッ!
や、ヤバッ!興奮してきた。
私は頭の中でシンデレラ姿の由奈を想像し、一人盛り上がった。
「私、無理だよ…」
由奈は下を向いて呟いた。
「由奈、大丈夫!私がいるよ。裏で支えるからさ!」
「小夏ちゃん…!」
だから、止めるとか言わないで!
シンデレラ姿、見れなくなっちゃうから!
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