「おっじゃまァ〜!」
勢いよくドアが開いたと共に、叫びながら入って来た男が一人。
「待ってってば!律!」
…いや、二人。
「…はぁ」
そんな二人を見て、奏斗は大きなため息をついた。
私もため息をつきたいよ。
できるなら無視したい。
けれど、二人は確実に私たちに近付いてくる。
そして、そのうち一人が私たちの前に仁王立ちするとニヤッと笑った。
「俺に感謝もしないで、やらしいことはさせねーからな!」
「まだ根に持ってんのかよ」
律がビシッと私たちに向け指を指して言うと、奏斗は呆れながら答えた。
「ったりめーだろッ!」
…しつこい。
まだ根に持つっていうのは、さっきの話だよね。
律曰く、私と奏斗が付き合えたのは律のおかげとかいうやつ。
…てか、私分かったって言ったじゃん。
「感謝の気持ちを述べていない」
…お礼をしてほしいんだね。
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