「今度は南条先輩に手出したくせにふったらしいよ?」


「知ってる!悪女でしょ?まじ信じらんない!」


「悪女の考えてることなんかあたし達には一生わかんないわよ。」





今日も飛び交う。

"悪女"の噂。



ほんっっと…





「ねえ?コソコソしてないでさ、直接言ったらどうなの?。」




うざいっっ!!







集団になって、陰でしか何にも言えない様な人に言われる筋合いなんてないし。





第一あたしには松嶋莉子って言う名前があるのよ。



何が悪女よ!




「莉子ちゃん!そんな言い方しちゃいけないよ?いくらあの人達が弱いからって。」


あたしの数少ない友達、由香が口を挟む。


「はあ?誰が弱いのよ。」


由香の毒舌ぶりは相変わらずで陰口集団にも怖い者知らずってかんじ。


「陰でしか物言わないし、弱いのは弱いでしょ?間違ってる?」





…由香、間違ってないよ。




うん、けど…。