抱きしめてほしかったんじゃなくて、 あたしがリュウを抱きしめたかったのかな。 「ほっそいなー、お前」 「そうかな?」 リュウの腕の中にすっぽり収まったあたしは、背中に腕を回した。 「子どもだから体温高いのな」 「はぁ?何それー」 背中をバシバシ叩くと、楽しそうな笑い声が上がった。 「いってー」 良かった。笑ってくれて。 もう、あの泣きそうな顔は見たくないよ。