「まりあ、全然俺の方向いてくれないしさー」

「…」


ニヤニヤ笑いながら言う祐太に心底腹が立った。


誰のせいだと思ってんのよ。

…アンタのせいなんだから!




「ばか」

「…え?」

「祐太のばか!だいっきらい!」

「は、まりあ!?」


私は今出る限りの大きな声で叫んで、そのまま家まで走った。

後ろから祐太の焦った声が聞こえてたけど、そんなの気にならないくらい必死だった。




なんで笑ってられんの!?


こっちは今日一日中ずっと、モヤモヤした気持ちで。

祐太が私の方なんて目もくれないで、他の女の子の世話焼いてるのずっと見てたのに。