「まーりーあーちゃん?」

「……」




時は流れて帰り道。
例のごとく一緒に帰る私と祐太だったけど、私はなんだか今日のことがあって悔しくて、シカトを決め込んでいた。

そんな私に、何を思ってるのか、祐太は笑顔で私の顔を覗き込んでくる。


「まりあ。こっち向いて?」

「…」


絶対向いてやんねーぞ。

そんなことを心の中で誓いつつ、私は祐太の方を見ないように、真っ直ぐ前を見据えて歩いていた。


すると。


「はぁ…」


いきなり、後ろの方からため息が聞こえてきた。
きっと、祐太が立ち止まったんだ。

反射的に自分も立ち止まってしまう。




ちょっと、自己中過ぎだったかな。

理由も何も言わないで、ただ無視して。


これじゃあ、何の解決にもならないのに。




私はそう改心して、後ろに振り返る。

すると。


「やっと、こっち向いたな」


いかにもしてやったり顔の祐太がいた。