「はぁ…」 また思い出しては、深いため息。 18歳になった今のあたしの隣にいるのは、もうあの頃の絢斗じゃない。 あたしだけの絢斗だからって、なんの嬉しさの欠片も感じない。 どうして執事になったの? どうしてあたし専属の…… 声変わりした甘くて低い声は、今日もあたしを 「葵衣様」 …と呼ぶ────