「絢斗はバイトとして、お嬢様のあなたに接してるだけ。絢斗は誰にでも優しいの」
あたしの中で何かがプツンと音を立てて、崩れていった。
「千嘉さんが絢斗を好きなのは勝手だけど、あたしと絢斗の関係に口出しされたくない!」
「関係も何も、お嬢様と執事以外に何もないでしょ?」
「幼なじみだもん」
「作られた幼なじみなんじゃない?あなたのパパが雇ってる人の息子なんだから、普通の幼なじみじゃないでしょ?」
「どういう…意味?」
「雇い主のあなたたちには、逆らえない立場だってこと。純粋な幼なじみとは違うと思うけど?」
ひどい…
だけど当たってるだけに、何も言い返せないことが悔しい……
