夕食を終えた食器を片づけた絢斗が、本を読んでいたあたしに声を掛けた。




「それではわたくし、これで失礼いたします。
今日は早めにお休みになったほうがよろしいかと…」



「うん、分かってる。おやすみ」




絢斗がはなれに帰るため、玄関を出て鍵をかける音がしたかと思うと


とたんに静けさが際立った。




パパも海外へ行ってるし、この広い家に1人だけというのには慣れてしまっている。



たださっき絢斗がなぜ早めに……って言ったのかというと


今日は天気がかなり荒れていて、さっきから小さなカミナリが鳴り続いてる。



小さい頃からカミナリが苦手なあたしを知って、絢斗はあんなことを言ったのだ。




お風呂に入って、さっさと寝よ……


そう思ってバスルームへと向かった。