「絢斗、初めてだよね? 仁……緑川仁」 「どうも」 仁があいさつすると「初めまして。神影絢斗と申します」と、丁寧に答えた。 ただ絢斗が仁を見つめる瞳の奥には、探るような鋭さが伴ってる。 「仁とはめちゃくちゃ仲いいの。よく朱里と3人で遊ぶんだよ」 「…そうですか」 あれっ…?! あまりにも興味がなさそうな態度に、場の空気が沈む。 思わずあたしは、必要以上に明るい声を発した。 「仁、朱里じゃあ、あたし行くね!バイバイッ」 「うん、じゃあね」 あたしは2人と反対方向へと歩き出した。