絢斗のことは好きだよ?
けれどこの気持ちは、なんなの…?
あたしの好きは、お兄ちゃんを好きという気持ちだと思ってた。
なのに……
知らない女の人と話してる姿を初めて見て、身体がカァーっと熱くなった。
ただの独占欲なのかな?
それとも……
「ねぇ、2人?」
スーツを着たサラリーマン風の男が、突然話しかけてきた。
「良かったら、そこにいるやつと4人で飲まない?」
あぁ、これってナンパなんだ……
朱里は困った顔で、あたしを見た。
「いいよ」
「えっ?!」
朱里が眉間にシワを寄せて、あたしを睨み付けた。
嫉妬と自分の感情への戸惑いが、もうどうでもいいやという思いに変わった。
