幼なじみの執事



「チカとは前に行っただろ?」



酔った声はいつもより高めで、女の人に話しかけてるのが聞こえた。




「そうだけど〜覚えてないよぉ。絢斗あのとき別のとこに夢中だったじゃん」




チラッと盗み見ると、その“チカ”という人が絢斗の腕に手を乗せて笑っている。



その姿を目を細めて眺め、一緒になって笑う絢斗にギュッと胸が締めつけられる。



なに…これ?


その人と、どこに一緒に行ったの?


あたしの絢斗に触らないでよ……



真っ黒な想いが、胸の中に流れ込んでくる。



下唇をギュッと噛み締めても、広がる一方なその感情は


嫉妬だ……