「どうしたの?葵衣ってば、そんなに絢斗さんが気になる?」
「そ、そんなんじゃないよ!ただ後で絢斗をからかうネタになるじゃない?」
自分でもよく分からない。
なんか悔しいの───
普通の絢斗を見て、とてつもなく悔しかった……
「どうぞ」
目の前に出されたのは、乳白色のピンクのカクテル。
「可愛い!ホントのカクテルみたい」
あんなに怯えてた朱里が、すっかりこの場を楽しんでる。
その甘めのノンアルコールカクテルに口をつけ、一口含んだときだった。
あたしの耳に届いたのは、聞き慣れた絢斗の声……
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