「何にします?」
「へっ?!」
カウンター越しに掛けられた、さっきの爽やかさんの声に間抜けな返事をしてしまった。
意識がほとんど絢斗にいってたから……
「なに飲む?」
フッと彼に笑われて、朱里はオロオロしてる。
「カクテル!カクテル下さい」
「葵衣?!」
そんな変な態度取ったらバレちゃうじゃないって思いながら、朱里に目配せした。
「あんまりお酒飲めないの?」
「飲めます!!」
ムキになってるあたしに、朱里は呆れ顔。
「強がらなくていいよ。
ノンアルコールカクテルあるから、気分だけでも味わって。それでいいよね?」
この人にまで子供扱いされてムッとしたけど、噛みついても目立つだけだと我慢した。
仕方なく頷いて、また絢斗に視線を戻した。
