そんな葛藤を繰り返していく内に、時間というものは残酷で……


あたしの中に“慣れ”と“諦め”を生んだ。



何度尋ねても願っても執事という姿勢を崩さない絢斗に


もう、いいや……って気持ちになっていった。




時々イライラするのは、納得はしていないから。


単に諦めただけだ───…





「葵衣様、朱里様がおいでました」



結局制服の姿のままで、ソファーでボーッとしてたらしい。




「あたしの部屋に通しておいて。着替えたら行くから」



「かしこまりました」




絢斗は今日も完璧な執事だった。