だけど最後まで言葉はなく、痛いぐらいに握っていたあたしの手首から 絢斗の手がスッと離れていった。 そのまま背を向けた絢斗が、足を踏み出し行ってしまいそうになる…… 「待って!待ってよ!!」 頭で考えるより先に、身体が勝手に動いて 絢斗の背中に抱きついていた。 そんなあたしにビクッと反応した絢斗は、身体が硬直した。 そしてすぐに、あたしから離れようと身体をもがきだす。