高校に入ったとき、あたしが坂城グループ社長の娘だという噂はすぐに広まった。



金持ちの娘なんてワガママで、ブランドにまみれていて世界が違うんだって思われてるみたいで


みんな一定の距離を保って、なかなか近づいてきてはくれなかった。




腫れ物を触るように扱われ、その事にも直接あたしには一切ふれてこない。



そんなとき、同じクラスの仁と朱里が話しかけてきた。




「坂城ってさ、めちゃくちゃ金持ちんとこのお嬢様なんだって?」



「ねぇ、ねぇ!今度お家に遊びに行っていい?メイドさんとかいるの?」




なんの悪びれる様子もなく、無邪気にまっすぐ聞かれて思わずあたしは吹き出して大声で笑った。



不思議そうに顔を見合わせる2人。



これが大切で大好きな親友との出会いだった。



この高校に来て良かったって……


心から思えた瞬間。