「葵衣…どうしたの?それ…」 心配そうに眉を寄せ、あたしの目に視線を止めた朱里。 泣きはらした瞼は、朝になって何をどうしたって腫れが引かなかった。 「よっ、おはよ!」 そこへ陽気に声を弾ませた仁が、後ろからやって来た。 あたしたちの様子を見て、仁まで顔を曇らせる。 「どうした?」 「葵衣が……」 朱里がそう言うと、仁があたしをジッと見た。