「あんな奴……早く忘れればいい」 絢斗のその言葉に、我慢してた何かがプツリと切れて溢れだした。 「そんな簡単じゃないよ!騙されてたことだって、ホントはいまだに信じられないよ…… だけど分かったことは、あたしを坂城葵衣という1人の人間として愛してくれる人はいないということ…」 そうだよ… あたしは坂城グループの娘。 きっとその肩書きに寄ってくる人ばかりで、あたし自身を見てくれる人なんていない……