『そうか…とにかく危ないから、早く帰るんだよ。
帰ったらメールしなさい』



「…うん」



電話を切ったあたしは、大通りに出てタクシーをひろった。



窓の外の流れゆく街並みが、涙でにじんでいく。




何も見たくなくて

考えたくなくて


あたしは瞳をそっと閉じた。